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バカンスシーズン [内弟子日記]

時津先生はヨーロッパの各地にある自成道の道場に赴き指導して回ります。また、逆にヨーロッパ中の弟子達も先生の道場を訪れます。そしてフランス中が一斉にバカンスに入る7月、8月は、一年のうで最も多くの弟子達が先生宅に訪れる時期で私の内弟子生活の中で最も慌ただしく賑やかに過ぎていった時間でした。
各道場から団体または個人でヨーロッパや、遠くはカナダのケベックから、自成道の門下生達が入れ替わり立ち替わりやってきます。最初の団体が到着し一週間稽古三昧の毎日を過ごして帰って行くと、その日のうちに次の団体が息つく間もなくやってきてまた一週間の合宿が始まります。このようなサイクルで合宿が約2ヶ月間引っ切りなしに続きます。
合宿では先ず朝七時から約二時間、気功と太極拳の稽古をするところから始まり、朝食後午前の稽古が約二時間、午後の稽古が約四時間の計八時間の稽古をします。更に自由時間を使って自主的に稽古する人もいます。私も含め参加者は道場で寝泊まりする為、道場は基本的には24時間開放されています。
ほとんどの参加者にとって、バカンス中のこの一週間の合宿は一年の内で最も集中的に稽古する時期であり、皆この日を待ちわびていたように喜び勇んでやってきます。
「君が内弟子のケンか!噂にきいていたよ!会える事を楽しみにしていたんだ。」といって皆すぐに私と打ち解けてくれました。私にとってはこのような合宿が二ヶ月間ぶっ通しで続く訳で間違いなくハードでした。後半の方は、脚を纏う全ての筋肉が疲労しているような感じがあり、鉛のように重くまともに歩く事も出来なくなりました。それでも一旦稽古が始まるとなんとか動くようになるのが不思議でした。
この期間、内弟子としては一参加者としてただ稽古だけしていればいい訳ではなく、先生の助手になり皆に号令をかけ、また稽古外では給仕係り、バーベキューのシェフ、そしていつも通りの庭仕事や犬の散歩などのルーティンをこなさなければなりません。朝食前の稽古が終わると、急いでパン屋に行き大きな、見たことないくらい大きな、バゲッドを何本か買ってきてそれを切り籠に盛って朝食の準備をします。午前の稽古が終わると、直ちに皿やスプーンフォーク、ナプキン、ワイングラス、その他のものをテーブルに並べ樽で買ってきたワインをデキャンタに移し昼食の準備をします。(そう!昼から飲むんです!)午後、皆が気持ち良さそうに昼寝をしている間に犬の散歩をし庭の手入れを済ませます。午後の四時間の稽古でへとへとになり急いでシャワーを浴びて夕食のバーベキューで皆の分のソーセージや肉を焼きます。
クタクタになりながら全ての事を忙しくこなしていきましたが、全ての時間が楽しく過ぎ皆も喜んで私を手伝ってくれたので全く苦になりませんでした。


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